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「知性失調」という言い方

人に「バカ」と言いたくなる局面は誰しもあるだろう。
あまりよろしくない罵詈雑言とわかっていても、場合によっては避けられない。

さりとて、なるべく角を立てないような言い方にした方がいい、という思いもあるだろう。
ネットにおける誹謗中傷を視野に入れて、侮辱罪の厳罰化改正がなされたばかりでもある。

なんとか「バカ」をもう少し品の良い言い方に変えられないものか。

そこで私が捻り出したのが「知性失調」という言い方である。

「バカ」は「バカ」であり、原則として不変である。

「バカにつける薬はない」(慣用句)。

一方、「知性失調」と言うと、

「まあ君は今バカなことを言ってるが、単に”ちょっと調子が悪い”んだよな?」と「バカ」が一時的なものであることを仄めかし、

「本来の君はもう少し賢いはずだ。」とポテンシャルを暗に保証してあげるか、

又は

「君の知性はこんなものじゃないだろう」という未来の伸び代まで約束してあげられる(かもしれない)。

栄養失調の子供には、栄養をつけさせれば良い。

同様に、知性失調の人には知識と知恵と教養を与えれば良いのだ。

もう少し”知性を摂取”すれば、「知性失調」状態から脱出し、そんなバカなことを言う(する)こともなくなるであろう、と。

願わくば、それが「私の言うことを聞くこと」によって達成されれば、なおよろしい。

そのような大変”優しい”期待が、「知性失調」という言い方には込められている(かもしれない)。

ところで、バカに「バカ」と言うと、
「バカと言ったやつがバカだ」という王蟲返しを受けがちである。

今のところ、私が「知性失調」だと言ってあげて、
「お前の方こそ知性失調だ」という王蟲返しは一度も受けていない。

これはどうしたことだろうか。

それは、一般に「バカ」は「知性」という言葉をほぼ使うことがないからではないか、と考える。
バカは「知性」とはなんであるか、ということを一瞬も考えない。

なので、知性を失調するとはどういうことか、具体的意味を持って「知性失調」という語を自分の語彙に収めることができないのではないか。

ただし、やがて「知性失調→バカ」という機械的翻訳がなされるほどにこの言い方が普及したとしたら、
上述した私が込めた深い(愛のある)意味もわからず「お前の方こそ知性失調だ」と王蟲返しをするバカが、いや「知性失調」の方が現れるであろう。

コミュニケーションというものは、そのように螺旋階段を登るように次の段階へと進むものである。

「知性失調」という言い方の賞味期限は、はたしてどれくらいだろうか。

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この記事を書いた人

◇Web著述家◇YouTuber◇Webプロデューサー
◇大阪大学理学部卒
◇Web制作会社ライター、広告会社ディレクター、製造業品質保証を経て、フリーランス
◇QC検定2級
◇中学時代に純文学に傾倒。国語(現代文)は終始圧倒的に得意。
◇高校時代は数学に没頭し、『大学への数学』学力コンテストの上位常連。最高位は2位
◇心理学、社会学等、文系学問の教科書を網羅的に通読している。
◇PCR検査推進派◇mRNAワクチン慎重派◇KF94マスク推奨 ★陰謀説は眉唾
◇無党派◇自公・維新・国民民主は不支持
◇「感覚を磨き、理知を尽くし、感性で判断する」がモットー。
◇人生の目標は「快眠・快食」
◇趣味は楽器演奏。歌、ギター、ドラム等
◇猫2匹、リクガメ1匹と暮らす。

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