【回答】
猫の考えてることを察する努力を面倒くさがり、支配的な性向が強く、気持ちを尊重できない人は無理ではないかと思います。
猫は、基本的に躾けるのは無理な生き物です。
頭が悪いのではなく、主体性が強く、賢いからです。
同じように躾けるのが難しい生き物に「猿」がいます。ある種の猿は大人になると完全に人の言うことを聞かなくなり、悪知恵を働かせて悪戯しまくるようになるので、飼うのが難しくなり、手放さざるを得なくなります。
猫は1万年も前から人々の暮らしに関わってきて、ペット用にカスタマイズされてきた生き物ですから、ちゃんと接すれば人間と共存できるようになっています。
猫は喋りませんが、表情豊かで、一見理解できない行動にもちゃんと理由があります。
問題行動があった時も、周辺の状況等から観察して、なぜそうするのかをじっくり考えると、たいてい合理的な理由が見つかります。
例えば、うちのむーにゃんは、カバンの上におしっこをするのが好きで、困っていました。
床にカバンを置かないように気をつけていましたが、ふと気を抜いて置いたちょっとした隙に致すのです。
約10個のカバンをダメにされました。
犬だと叱りつければ言うことを聞くこともあると思うのですが、猫はそうはいきません。
「またやられた。悪い子やなぁ」とぼやきつつ、
あれこれ考えて工夫しましたが、治りませんでした。
ある時、要するに布っぽい物の上におしっこをするのが「好き」なのだろう、と思い至りました。
そこで、犬用の分厚いペットシーツを置くようにするとそこでするようになり、鞄の被害がなくなりました。
今では便が緩い時などもその上でしてお尻を拭く、ということまでやるようになりました。
長毛のむーにゃんは、尿や軟便の時に毛が濡れて普通のトイレの猫砂がつくのが嫌だったのだろう、と。
トイレとしてカバンを好む、合理的なちゃんとした理由があったわけです。
猫は「やってはいけないこと」を理解しつつ、最終的に「やりたいこと」を優先する。
結局、猫のやりたいようにさせる他ない。
困った行動がある時には、どうしたらこちらがそれをして欲しくない方向に、猫のやりたいことを重ねるかを考える。
こちらの思う方向性を、猫が主体的に選んでいく、というように誘導していくわけです。
言葉は悪いですが、マインドコントロールみたいなものです。
一匹一匹の性格や好き嫌いも大変に違うので、よく見極める必要があります。
猫は表情豊かなので何を考えてるのかは分かり易いです。
よーく表情や行動を観察して、何を考えているのか察して、基本的にしたいようにさせる。
対人関係にも当てはまる話かもしれませんね。