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【質問箱】政治に無関心な(若い)人々をどう考えるか


民主主義の崩壊だとかもう日本は落ちて行くだけだ等と、毎日の様に SNS で誰かが呟いて居ます。由々しき問題だと思います。ではどうすれば国民がもっと、自分達の日々に大きく関わる政治に関心を持つ様になるのでしょう?多くの日本人はどう考えて居るのでしょう?常に”政治は他人ごと”の様な人達が多い気がします。その証拠に、投票率は低い ままです。特に若い層が。 どうして有権者はこうも政治離れしてしまったのでしょう? 権力の監視役のジャーナリズムが正義をなおざ りにしてしまったからでしょうか? 何処を起点に考えて良いのだか分からないのです。 どうぞ、お考えを教えて頂ければと思います。

【回答】

さまざまな切り口がありますが、

突き詰めれば、自分の一つの行動が、全体に与える影響を実感できるか、というセンスの問題に帰着すると考えています。


これを培うことは容易なことではなく、また教育するのも、伝達するのも容易なことではない。


「めちゃくちゃたくさんの人が投票しますよね。その中で自分1人が投票しようがしまいが、関係ないんじゃないですか」


目の前でこう嘯く人に対して、

投票することの意義を説明できるか?ということです。


これは案外難しい。


ほとんどの大人が、この説明に失敗しています。


一人ひとりの無力に見える1票が、選挙区においては何十万票の塊になって明白な結果をもたらす。そしてそれが積み重なって、一つの国政選挙の結果になる。


考えてみれば、不思議なことです。


なぜ一票が意味を持つのか。


積み重なることを前提にした一票だから?


いやそれならば、どのみち何十万票の中に埋もれるのだから、

自分1人が病欠などで投票しなくても結果は変わらんでしょう…等々

議論はなかなか収まりがつきません。


この「一票の意義」をクリアカットに説明するのは、大変難しい。


私も上手くできる気がしません。


オートポイエーシスのような未完成の哲学概念を持ち出すか?


あれこれ考えますが、もしかすると、そもそも言語化できるものではないのかもしれない、とも思います。


ですから最初に「センスの問題」と書きました。


これを培うことが、「人間修養という観点から見た重要課題のひとつ」であり、そう考えるとある意味では、人生の目的(のひとつ)と言っても過言ではない。


そしてその問いの果てにある「民主主義とは何か(どのように実現するのか)」という問い。


民主主義は、体制であり意識であり、主義であり…


人類史上でその「理想の形」が現れたことは未だかつてない、と言って良いと思います。


簡単に答えの出る問題ではないと思います。


そして、その朧(おぼろ)にある「理想のカタチ」から、日本の現状が遠くあること、遠のいていっていることは確かであり、

しかもそれは世界的傾向でもあり、

そこで働いている”斥力”は「民主主義の理想のカタチ」をクリアに言語化することの難しさと無縁ではない、とも思います。


いささかレトリカルな回答で申し訳ありませんが、現時点で私が答えられるのはこれくらいです。




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